2014.12.22 11:10
資材が床に放置され朽ち果てた石炭発電所。この町は、石炭やコークスを取り扱うUSスチールの子会社が1917年、企業城下町として建設した。多くの労働者でにぎわい、一時は1万人が暮したというが、2010年にはたった747人に激減。この廃墟となった工場は現在、博物館になった古い鉱山の向かい側にある=2014年11月22日、米ケンタッキー州リンチ(AP)【拡大】
【アートクルーズ】
数年前から注目を浴びる「廃虚」。使われないままに放置された建物や施設、鉄道や集落などが、朽ち果てた状態になったものだ。鉄道マニアの中でも、廃線跡や廃屋となった鉄道関連施設などを熱心に歩く人たちが現れたのをきっかけに、20年くらい前から、使われずに廃虚となったレトロで懐かしいものへの回帰現象が起きた。廃虚はちょっとしたブームとなり、廃虚を訪ね歩くマニアが現れ、廃虚巡りのハウツー本なども出版された。
こうした“廃虚信仰”は日本だけのことかと思ったら、世界各地に廃虚が存在し、ガイドツアーなどが行われているという。AP通信がさまざまな廃虚の写真を紹介している。
世界の廃虚は多岐にわたる。石炭発電所跡やかつて炭鉱町として栄えたコミュニティーの廃屋、さらには鉄道会社の車庫らしき建物の廃虚には捨て置かれた路面電車が横たわり、鉄道マニアが見たらそれこそ垂涎(すいぜん)の的となるだろう。
また米国家安全保障局の防諜用アンテナという国家機密に絡む重要施設だった場所も廃虚となっている。さらにここはガイドツアー付きで訪れることができるというから意外だ。