≪伝統に培われた技を新しい発想に生かすと「ものづくり」の可能性が広がる≫
海に臨み整然と壷が並ぶ景色。これはスローフードの旗手とも言うべき「黒酢」が、南国の太陽の光を浴びて農作物のように造られていく「壷畑」。この独特の製法は世界でも類のないものといわれます。近年の健康志向の高まりとともに、自然の力を最大限に利用し製造される黒酢は、健康ブームを巻き起こし、全国的に知られるようになりました。
今回は伝統的な製法を守りつつ、黒酢の新たな可能性を求めてチャレンジを続ける、重久雅志さんを鹿児島県霧島市に訪ねました。
鹿児島県霧島市福山町は、「かめ壷仕込み」による黒酢の発祥の地。雄大な桜島を正面に、錦江湾の中心に位置し、200年以上、昔ながらの製造法で黒酢を造り続けています。