米国で最も長い川、ミシシッピ川は全長3779メートル、ミネソタ州を起点に、北米を縦断してメキシコ湾まで流れている。川を使った交易の拠点として栄えたのが、ミネソタ州で最大の都市、ミネアポリスだ。交通の便の良さから穀物大手カーギル、化学・素材メーカーの3M、靴のレッドウィングなどが州内に本拠を置き、空の玄関口であるセントポール国際空港には、日本からの直行便も飛ぶ。
ミネアポリスはこうした企業が地域の文化を支えている「アートの街」という顔も持っている。ミネソタ州には課税前の利益の5%を文化・芸術活動に寄付する「5%ルール」という慣習があり、州内の多くの企業は、財団などを通じて、縁の深い組織を支えてきた。
ミネアポリスを代表する現代美術館、ウォーカー・アート・センターは来年創立75周年を迎える。3Mと縁が深く、社員が1948年から就労時間の15%を企画立案など芸術支援に充てる活動を続けてきた。10月からは75周年を記念する、1年をかけた大型企画展がスタート。隣接する関連施設ミネアポリス彫刻庭園は、代表的な「スプーンブリッジとチェリー」が、街の象徴として親しまれている。