【牧野直子の健康ごはん】
秋の味覚の代表格ともいえるサンマ。「秋に取れる刀のような形をした魚」ということで、漢字では「秋刀魚」と書きます。
栄養面では良質なタンパク質源、脂質に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、ビタミンB群、D、Eが豊富に含まれます。EPAは善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らす働きが期待できます。DHAは脳のニューロンという神経細胞の突起の先端に含まれています。
ニューロンの突起がつながって神経回路を作り、情報伝達を行います。DHAが不足すると脳での情報伝達がうまくいかなくなるので、学習能力や記憶能力に影響が出ると考えられます。「魚を食べると頭がよくなる」と言われるのはこのためですが、魚を食べる習慣に加え、積極的に学ぶことをしなければ、頭がよくならないのはいうまでもありません。
その他、サンマには脂質やタンパク質の代謝を円滑にするビタミンB2やB6も多く含まれます。この2つのビタミンは肌荒れや口内炎予防にも欠かせません。サンマが出回る時期は限られますが、他の季節でサンマに期待できる栄養を補うなら、アジやイワシ、サバ、ブリ、サワラなどの青背魚を食べるようにしましょう。