アイガー氏は就任直後の06年にアニメ映画「トイ・ストーリー」などを手掛けるピクサー・アニメーション・スタジオを74億ドル(約8000億円)で買収。09年には「スパイダーマン」などのヒーローの権利を持つマーベル・エンタテイメントを40億ドルで、12年には「スター・ウォーズ」のルーカスフィルムも40億ドルで傘下に収め、次々と有力コンテンツを手に入れた。
株式時価総額3倍に
他力だけでなく、昨年は「アナ雪」を生み出し、1994年の「ライオン・キング」以来、低調だったディズニー・アニメの復活を印象づけた。
さらにテーマパーク、リゾート、海外事業でもことごとく成功し、傘下のスポーツ専門局ESPNも絶好調。株価上昇で時価総額は、就任中に500億ドルから1500億ドルにまで膨らみ、株主を大喜びさせた。
その経営手腕について、辛口の著名アナリスト、マイケル・ナサンソン氏も「率直に言って、驚くべき仕事をしてきたと評すべきだろう」と称賛を惜しまない。
ニューヨーク生まれのユダヤ人であるアイガー氏は大学卒業後、ローカル局で気象予報士を務め、74年に米3大ネットワークのABCに入局。ドラマ「ツイン・ピークス」(90~91年)をヒットさせて大出世しABCのトップに。96年にABCがディズニーに買収された後も存在感を発揮し本家の頂点に上り詰めた。昨年の年収はなんと3430万ドル(約37億円)。