“イタリアの個性派ピアニスト”としてイタリア・ソニーからすでに7枚のアルバムをリリースしているアンドレア・バッケッティ。このほど、日本の独自企画による「イタリア協奏曲~バッケッティ・プレイズ・バッハ」(ソニー)を出した。
まず目を引くのが、はだしで写っているジャケット写真。これも個性派の自己主張かと尋ねると、「カメラマンに靴を脱いでみる?といわれたから脱いだだけです。若いときは反抗心が強い青年でしたが、今はおとなしくなりました」と笑う。
こんな答えをするのには理由がある。子供のころは天才少年と騒がれた。
「ジェノバに近い村で育ちました。小学校1年のクリスマスで、先生が弾くキーボードの和音が間違っており、それを指摘しました。音楽とは無縁の普通の家庭で、家にはプレゼントでもらったリコーダーがあるだけ。絶対音感があることを人に言われたのです。もしかしたら才能があるかもしれない、とピアノを習わせてもらいました」
コンクールの実績なし
しかし、ショパン・コンクールなど大きな国際コンクールでの実績はない。たとえば、浜松国際ピアノコンクールの予備予選を受けたが、落ち、浜松にさえ行けなかった。