マレーシア航空機撃墜事件に絡み、撃墜を実行したと疑われているウクライナの親ロシア派勢力の後ろ盾とされるロシアに対し、2018年のサッカー・ワールドカップ(W杯)の開催権を剥奪せよとの声が欧州で高まっている。
撃墜では欧州で200人超が犠牲となり、W杯ロシア大会開催への憤りと嫌悪感が広がっていることに加え、ロシアは事件後も親ロシア派勢力を抑える積極的な行動を起こさず、ウラジーミル・プーチン露大統領(61)も不作為を決め込んでいる節があるためだ。国際サッカー連盟(FIFA)は「ロシア開催に何ら変更はない」としているが、“ピッチ外の対ロシア戦”は激化している。
「航空安全確保できず」
乗客283人、乗員15人(全員マレーシア人)の計298人が犠牲となったマレーシア航空機撃墜事件では、乗客のうちオランダ人が192人、英国人が9人、ドイツ人が4人、ベルギー人が4人と、欧州出身者が7割超の209人(二重国籍者2人を除く)を占めた。