米の大ヒットSF映画「スター・ウォーズ」の最新作「エピソード7」の撮影がアイルランド南西の孤島スケリッグ・マイケルで始まり、欧州メディアで話題となっている。島には588年にケルト人が建てたといわれる石積みの修道院があり、1996年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録された。映画撮影による遺跡へのダメージが心配されているのかと思いきや、別の理由から撮影の是非が議論を呼んでいる。
繁殖期にストレス
「ミカエルの岩」というほどの意味のスケリッグ・マイケルは、面積約0.18平方キロメートルの急峻(きゅうしゅん)な岩山からなる孤島。標高218メートルの島の山頂に建つ修道院はその原型をよくとどめており、1044年までに聖ミカエルを祀(まつ)る修道院になったといわれる。
島にはニシツノメドリ、マンクスミズナギドリなど多くの海鳥が生息しており、自然保護区にも指定されている。今回、問題となったのはこの海鳥への影響。英BBC放送(電子版)は、海鳥の生息環境への影響を危惧する声が自然保護の活動家などから出され、ユネスコはアイルランド政府に対し、映画撮影が島に与える影響について報告するよう要請したと報じた。