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不明、撃墜…親族4人奪った/豪女性 マレーシア機「二重の悲劇」

2014.7.20 00:00

 紛争が続くウクライナ東部上空で17日に撃墜されたマレーシア航空機の乗員乗客298人の親族の中には、今年3月から行方不明になっている別のマレーシア航空機にも親族が搭乗し、短期間に計4人の親族を失う二重の悲劇に見舞われた女性がいた。また、「万が一消息を絶ったときのために、私が乗る飛行機の外見はこんな形です」などと冗談のつもりでインターネットに投稿したコメントが、悲劇の予言となってしまった男性もいた。運命のいたずらというにはあまりの残酷さに、関係者も言葉を失っている。

 ■悲しみ癒えぬうちに

 豪紙オーストラリアンなどによると、連続の悲劇に見舞われたのは豪東部ブリスベーンのケイリーン・マンさん=写真。今年3月8日に消息を絶ち、インド洋南部に墜落したとされるクアラルンプール発北京行きマレーシア機には、マンさんの兄弟のロッド・バロウさんとメアリーさんの夫婦が乗っていた。機体や残骸などは一切、見つかっておらず、墜落地点も特定されていない。

 そして、マンさんの悲しみが癒えないうち、今度はウクライナで17日に撃墜されたアムステルダム発クアラルンプール行きマレーシア機に、夫の連れ子である義理の娘、マリー・リツクさんと夫のアルバートさん夫婦が搭乗していたことが判明した。2人は欧州旅行から帰る途中だった。4カ月余りで親族4人を失ったマンさんは悲しみに暮れ、母親のアイリーン・バロウさん(84)はメディアの取材に「彼女は打ちのめされ、精根を再び抜き取られてしまった」と答えた。

 ■冗談のコメントが

 アムステルダム郊外のオランダ人男性、コール・スヒルデルさん(33)は撃墜された便に乗る直前、搭乗ゲートから機体を撮ってフェイスブックに「万が一消息を絶ったときのために…」と投稿した。スヒルデルさんはガールフレンドのネールチェ・トールさん(30)と休暇をマレーシアのビーチで過ごすためにスキポール空港から旅立つところだった。3月に消息を絶ったマレーシア航空機を念頭に置いた投稿とみられ、「悲劇的な予言となってしまった」と欧州メディアに報じられた。

 撃墜事件後、スヒルデルさんを追悼するページがつくられ、「こんなことあり得ない!」などと死を嘆くメッセージであふれた。スヒルデルさんは少し前のフェイスブックへの投稿で、トロピカルなビーチの写真とともに「もうあと数日で(楽しみがやってくる)…」と書き込んでいた。

 ■元会長ら死亡確認

 一方、国際エイズ学会は19日、撃墜されたマレーシア機に搭乗し、オーストラリア・メルボルンで20日から開かれる「第20回国際エイズ会議」に向かっていた専門家らのうち、学会のヨープ・ランゲ元会長(59)=オランダ人=ら6人の死亡が確認されたとウェブサイトで発表。撃墜機への会議関係者の搭乗者数は、一部メディアで報じられていた100人前後より大幅に少ないとの見方を示した。ランゲ氏は安価な抗レトロウイルス治療のパイオニアとして知られ、アジアやアフリカでのエイズ対策や治療の普及に尽力した。エイズ学会は声明で「失ったものの大きさは計り知れず、表現できない。研究への影響は避けられないが、停滞しないことを祈っている」と弔意を表した。

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