北朝鮮と中国の関係悪化が顕著になってきた。
中国の習近平国家主席(61)が7月3、4両日に訪韓。中国の最高指導者が就任後に北朝鮮より先に韓国を訪問するのは初めてで、北朝鮮は中国への反発を強めている。朝鮮労働党機関紙「労働新聞」も、“大国主義者”という表現で中国を暗に批判した。
中韓首脳会談を前にした6月28日付労働新聞は論説の中で、「偉大なる大元帥さまたちの領導があったので、帝国主義者たちのどんな強権策動も、大国主義者たちの圧力もわれわれ人民を屈服させられなかった」と主張した。
北朝鮮では一般的に「偉大なる大元帥たち」は金日成主席と金正日総書記を、「帝国主義者」は米国を指す。大国主義者については、北朝鮮政治が専門の礒崎敦仁・慶応大学専任講師は「北朝鮮では以前から使われている表現で、主に米国、さらには旧ソ連や日本を非難する際に使われた。今回は『大国主義者たち』と複数形になっているので、この中には中国も含まれているだろう」と指摘した。