「こうした会合に外国の首脳を招いたのは英国のブレア元首相以来だ」
8日の日豪首脳会談後、連邦議会内で開かれた安倍首相とアボット政権の全閣僚との会合で、アボット首相はそう語った。各閣僚は一様に「今日の議会での演説は素晴らしかった」などと安倍首相を持ち上げた。
首脳会談を受けて発表された共同声明には、日豪関係を「特別な戦略的パートナーシップ」と明記。友好国とは「戦略的パートナーシップ」とする表現が一般的だが、「日豪は通常より一段上の関係」(政府高官)との理由で“準同盟国”扱いすることになった。
その背景には、7年前の第1次安倍政権時代に交渉が始まった日豪EPAに正式調印できたことに加え、安全保障面で米国を加えた日米豪3カ国で共同訓練を重ねるなど、関係強化を積み重ねてきたことがある。日豪間は捕鯨問題をめぐり対立も残るが、経済・安保の緊密な関係構築で乗り越えた格好だ。