さらにメッシにとって代表での戦いは、母国の偉大な英雄、ディエゴ・マラドーナ(53)の幻影との戦いでもある。国民はメッシに、アルゼンチンをW杯の優勝1回、準優勝1回に導いたマラドーナの伝説の再現を求める。メッシは「自分を誰かと比べることなんてできない」と受け流すが、強烈に意識していることは間違いない。
そんなマラドーナから、大会開幕後、メッシに温かいアドバイスが届いた。「気楽にやればいい。不幸なことに世の中には君のことを批判する愚か者がたくさんいるが、そんな話を聞く必要はない」。同じ重圧の中で戦ったレジェンドの言葉だけに重みがあった。
白星発進に大きく貢献したメッシは、「最初の試合は不安だし緊張感もあったが、きょうのゴールは自分にとって何かが吹っ切れたとても重要なゴールだった」と笑みを浮かべた。ブラジルのネイマール(22)=バルセロナ=と並ぶ大会の顔が最高の形で船出した。(SANKEI EXPRESS)