ニュージーランドでの生活が徐々に始まった。
拠点を置くのは、国内総人口の3分の1にあたる130万人が暮らすオークランド。市街地からやや離れた「タカプナ」という地域でホテルの一室を借り、近くで日本人が営むカフェで食事のほとんどを済ませる。
ときには、南半球で最も高いスカイタワーがシンボルの市街地まで足を運ぶ。そこには、旬の生カキなどの海鮮料理やおいしい肉料理が人気の店がいくつもある。現地で知り合った親切な日本人らに情報をもらいつつ、自分でも気になる店に飛び込んでみたりもする。
3回目となる今回の滞在期間は、4月下旬から6月上旬に帰国するまでの約1カ月。家族で移住するための場所などを探すとともに、週末は代表のU-12(12歳以下)とU-15の野球クリニックで指導してきた。日本のテレビ局も取材に訪れてくれたので、その様子が国内で伝わることも励みになる。
北半球の日本と気候が反対の現地の季節は秋から冬へ差し掛かろうとしている。今年の野球シーズンは残りわずかだ。クリニックを行う野球場があるのは、オークランドの新興住宅街が広がる「ハウイック」という場所だ。未来の代表チームを担う子供たちは父母の車に乗って、野球をしにくる。