「この仕事をしていて、一番うれしいこと、一番つらいことは何ですか?」。この質問を何度受けてきただろうか。
私の仕事は、日本に住む子供たちや若者に国際協力への理解を深めてもらうように働きかけることだ。学校での出張授業、子供向けイベントの開催、ボランティアの方との教材づくりなど。最近では修学旅行の一環としてワールド・ビジョンを訪問してくださる生徒の受け入れも増えている。ワールド・ビジョンのビジョンステートメント「すべての子供に豊かないのちを」が私の力の源だ。
「この仕事をしていて、うれしいこと」は、子供たちへの支援がもたらす変化を見ること。
3月にカンボジアを訪れ、チャイルド・スポンサーシップによる地域開発プログラムを視察した。このプログラムの最大の特徴は「子供を中心とした開発」を実施している点だ。支援が始まる前、大人は「子供は放っておくもの」などという考え方を持っていたという。
支援では、子供たちに働きかけ、その権利を学ぶことで、「子供クラブ」などで生き生きと活動するようになった。その姿を見た大人にも意識変革が起こっている。1人遊びをしていた子供たちが、子供クラブで同年齢の子供たちと楽しそうに遊び、仲間になっていく。すると大人たちも住民組織として団結していったのだ。