【青信号で今週も】
記憶には、脳の内側にある海馬(かいば)という場所が深く関わっていることが知られています。海馬は、ギリシャ神話の海の神ポセイドンがまたがる架空の動物です。頭や胴体は馬ですが、尻尾の方が魚になっています。その尾の形に似ているところから海馬と名付けられました。
タツノオトシゴも海馬とよばれますが、ギリシャ神話の架空の動物が名前の起源のようです。人間ではCの形を横に引き延ばしたような形をした4センチほどの小さな領域です。記銘力障害が主な症状のアルツハイマー型認知症が進行すると、海馬が萎縮することが知られています。
30代、40代にさしかかると少し前のやるべきことを思い出しにくくなったり、久しぶりにお会いした方の名前を思い出しにくくなったりします。記憶力に陰りが見えてくると少し焦ってきて、海馬の能力の低下を最小限にしたいという願いも強くなります。以前、魚のω(オメガ)3脂肪酸やDHAが神経幹細胞から神経細胞への分化誘導を促し、神経幹細胞自体の細胞死抑制効果があることをお書きしました。