死去後も世界中で広く敬愛されている先々代ローマ法王ヨハネ・パウロ2世(在位1978~2005年)と第261代法王ヨハネ23世(在位1958~63年)をカトリック教会最高位の崇敬対象である「聖人」とする列聖式が4月27日、バチカンのサンピエトロ広場で行われた。
100万人が祝福
現法王フランシスコが執り行った列聖式には、ヨハネ・パウロ2世から職を引き継ぎ、昨年(2013年)退位した前法王ベネディクト16世も参加。また、世界中から約100の代表団が出席し、詰めかけた信者や観光客らは100万人以上に上ったとされる。
ヨハネ・パウロ2世は在位中、積極的に世界各地に足を運んだことから「空飛ぶ聖座」と親しまれ、冷戦時代に出身国のポーランドをはじめ東欧や旧ソ連諸国の民主化に尽力し、冷戦終結を支えた存在としても知られる。いまも世界の信者らから信望を集めており、死後9年という異例の早さで聖人になることが決まった。ヨハネ23世はイタリア北部出身で、教会近代化の道を開いた第2回バチカン公会議を招集したことで知られている。アルゼンチン出身の現法王フランシスコは貧困対策をはじめ社会変革に積極的に取り組む姿勢をみせており、今回列聖された2人が歩んだ法王像に強い影響を受けたといわれている。