インターネット上の新たな投資・決済手段として仮想通貨「ビットコイン」が日本でも使われ始めた。国境をまたいで瞬時に送金できる利便性や、政府に関与されない金融商品として世界中に広がった。一方、消費者保護や違法取引の防止などの課題から法規制を導入すべきだとの機運も高まっており、普及していくかどうかの分岐点を迎えている。
まだ十数カ所
「1日1回はお客さまが支払いで使います」。音楽イベントなどでにぎわう東京・六本木のレストラン「ピンク・カウ」。横尾明香音オペレーションマネージャーは、ビットコインの広がりを実感する。昨年(2013年)7月に日本で初めてビットコインでの決済を導入した当初は1週間に1人いるかいないかだった。
決済の仕方は簡単だ。店員がタブレットに飲食代を入力するとQRコードで表示。客がスマートフォン(高機能携帯電話)の専用アプリで読み取れば店の口座に送金される。「クレジットカードのように手数料を支払う必要もない」とオーナーのトレイシー・コンソーリさんは利点を説明する。