【国際情勢分析】
アカデミー主演男優賞受賞の米俳優、フィリップ・シーモア・ホフマンさん(46)が今月(2月)2日、ニューヨーク市内の自宅で死亡しているのが見つかった。自宅の高級アパートの浴室で知人に発見されたホフマンさんの左腕には注射針が刺さったままで、そばにはヘロインとみられる物質が入った封筒が発見されたという。米国では昨年(1月)7月にも、米人気ドラマ「glee(グリー)」に出演していたカナダ人俳優、コリー・モンティスさん(当時31)がアルコールとヘロインの過剰摂取により急死している。2008年にはアカデミー助演男優賞受賞俳優のヒース・レジャーさん(当時28)が処方箋薬の過剰摂取で死亡したことも、映画ファンの記憶に鮮明に残っているはずだ。惨事が起こる度に薬物の危険性が大きく伝えられるにもかかわらず、薬物の蔓延(まんえん)は止まらない。
「対麻薬戦争は失敗」
2月4日付米紙シアトル・タイムズの論評は、米国の薬物との戦いについて「毎年、何十億ドルもがWar on Drugs(麻薬戦争)で無駄に費やされ、薬物はかつてないほどに、より安価になり、入手しやすくなっている。その戦いは、薬物の供給を圧迫することで、公に薬物の使用と直面することを恐れる中毒者を犯罪者に頼らせることにつながり、運び屋を豊かにしている」と政府の対応を酷評した。