ソ連の赤軍にも歌舞団が創設されており、中国軍はこの軍文化を受け継いだと思われる。ただ、台湾軍にも同種の軍機能があるので、清帝国軍など歴代王朝軍のDNAも混じっていると、小欄は感じている。
海上自衛隊の場合、訓練期間が中国海軍の倍以上の1カ月、あるいは数カ月にわたる遠洋任務でさえ、洋上では《娯楽》が基本的にない。時間が許せば運動不足を補うべく、艦長の許可を受け甲板でジョギングやウェイト・トレーニングを行う《艦上体育》程度。そもそも、慣熟訓練は海上での《ストレス》に慣れることも目的の内だ。
鍛えられる自衛隊と、幼児をあやすかのような中国軍。錬度と忍耐力の差は致命的だ。
だが、兵器の量に加え質も向上する危機的状況の現出はそう遠くない。中国の公表軍事費は当初予算比で25年連続の二桁増。この間30倍以上に膨れ、わが国国防費の実質4~9倍強=20兆~45兆円との分析もある。