□映画「ラッシュ/プライドと友情」
そんなわけだから、ダニエル・ブリュールにとって、本作のウィーンプレミアはもっとも緊張を強いられる“洗礼”の場だった。「『ブリュールがオーストリア人を演じる? 無理でしょう』。彼らにははなから失敗すると思われていたんですから。でも、自分なりによくやったぞと思える出来栄えにしたつもりです」
クリス・ヘムズワースは、すでに亡くなった人物のイメージを、過去のインタビュー記事を読んだり、インターネットで動画を何度も見るという正攻法でつかんでいった。「動画が特に参考になりました。テレビではとても放送できない、歯に衣着せない発言をたくさんしていました。彼は大きな子供なんですよ。協調性はまるでなく、エチケットなどお構いなしという態度が伝わってきましたよ」
自分が自分の批判者
F1マシンの運転は、どの程度までスタントなしで臨んだのか。「フィフティー、フィフティーですね」とジョークを飛ばすヘムズワースを遮り、ブリュールはこんな説明をしてくれた。