広島市出身の被爆2世で、両耳が聞こえない作曲家として知られる佐村河内(さむらごうち)守さん(50)=横浜市在住=の代表作「交響曲第1番 HIROSHIMA」などの楽曲は、十数年前から特定の別の人物が作ったものだったと、佐村河内さんの代理人の弁護士が2月5日、明らかにした。
代理人によると、佐村河内さんはその人物に楽曲構成やイメージを伝え、具体化する形式で創作活動をしてきたという。2月6日発売の「週刊文春」は、この人物を桐朋(とうほう)学園大講師の新垣隆氏(43)と報道。新垣氏は5日午後、週刊文春編集部を通じて報道機関にファクスを送り「私は佐村河内守氏のゴーストライターを18年間にわたってやっておりました。皆様の前でおわび申し上げたい」とするコメントと、6日午後に東京都内で記者会見することを発表した。
佐村河内さんの代理人は経緯について「(作曲した)人物の側にも作曲者として表に出づらい事情があると聞いており、佐村河内が自身を単独の作曲者と表記するようになった」と説明。「(佐村河内さんは)決して言い訳のできないことと深く反省している」「精神的にも不調を来し、自身の思いをきちんと伝えられる状況にない」としている。