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テレビが果たす「癒やし」「共感」の役割 渡辺武達 (1/4ページ)

2014.1.15 11:05

 【メディアと社会】

 この年末年始、テレビを全局録画できる機器を利用して、できるだけの番組をチェックした。各局とも工夫を凝らしてはいたが、年末は一年の回顧・総集編的な番組、スポーツ、恒例の歌番組、再放映を含めたドキュメンタリーなど。年始も五輪の期待選手の紹介や「新年のごあいさつ」的座談会、晴れ着のお笑い番組、政治評論などと、例年通りであった。

 しかし、今回で64回を迎えたNHKの紅白歌合戦を見ていて、テレビ番組が単なる「暇つぶし」から、視聴者の「ヒーリング(癒やし)」や視聴者との「共感」を目指して進化を始めていると感じることができた。

 娯楽の域超えた紅白

 テレビが今、長期的低落にあるのは周知の通りだが、紅白歌合戦の平均視聴率は44%超(ビデオリサーチ調べ)と、2013年以来の高さを記録した。それは、人気のあった朝の連続ドラマ「あまちゃん」の関係者の総動員や北島三郎さんの「紅白卒業式」といった話題作りによるものだといわれている。実際、瞬間最高視聴率の50.7%は北島さんが「祭り」を歌い終わったときだった。NHKも北島さんを巨大な竜に乗せて登場させ、参加者全員に大トリの脇役を割り振るなどの演出をしていた。

これからのテレビへの希望 作り手の志の高さ、番組製作者と視聴者によるコラボレーション

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