≪團伊玖磨のオペラ「夕鶴」に主演≫
日本を代表するソプラノの一人、佐藤しのぶが、日本の音楽史に大きな足跡を残した作曲家、團伊玖磨(だん・いくま)のオペラ「夕鶴」に主演する。歌舞伎俳優、市川右近の新演出で、今月(1月)から4月にかけて全国で公演が行われる。
「テーマは深く普遍的なものです。『鶴の恩返し』の民話の世界を超えて、どこの国の人であろうと人間にとって本当に大切なものは何か?と問いかける作品です」と佐藤は話す。
「夕鶴」の作曲者、團は当時、文化庁のオペラ研修所の所長を務めていた。研修所で勉強していた佐藤は後に主役「つう」を歌うように師より勧められた。それから随分時間がたった。
「当時、歌いなさい、と言われましたが、勇気がありませんでした。『夕鶴』は本当に素晴らしい名演がありすぎます。私はそういった名演を聴いて育ちましたから」