昨年(2013年)末に世界無形文化遺産に「和食」が登録されるなど、日本の伝統的な食生活が改めて注目を浴びている。和食に欠かせない調味料といえば「みそ」だが、実は簡単に手作りできる。今年は手間と時間を注いで作る「手前みそ」で、時を超えて受け継がれる「わが家の味」への一歩を踏み出そう。
「みそは基本調味料の中で、唯一手作りできます。何でも買える時代ですが、あえて自分で作って1年間みそを育てることを楽しむ。そんな『尊さ』をみそ作りを通して感じてもらえれば」。こう話すのは、料理研究家の藤野嘉子さん。雑誌やテレビなどで活躍する傍ら、7年前から手作りのみそ教室を毎年開催している。
うまみが濃厚
みそを仕込む時期は、毎年1~2月。気温が低いため、ゆっくりと発酵していくためだ。また、素材である大豆が、この時期は軟らかいということもある。約半年間熟成させると、ようやく食べられるようになる。カビがはえたら取り除き、たまに上下をひっくりかえし…。手間ひまかけて育てあげた「手前みそ」は大事に使いたくなる。「お世話といっても、ぬかみそよりはラクです。ずっと見守るので、本当にかわいいですよ」