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ESA、天の川銀河の謎、解明へ

2013.12.31 00:02

 われわれ人類が住む太陽系を含む「天の川銀河」の謎がいよいよ解き明かされようとしている。欧州宇宙機関(ESA)は30日までに、宇宙望遠鏡「ガイア」を駆使し、「天の川銀河」の詳細な3D(立体)地図を作製するという壮大な計画をスタートさせた。ESAの最新型で超高性能を誇る「ガイア」は「天の川銀河」に存在する星の1%にあたる10億個の星々について、その正確な位置情報などさまざまなデータを収集・分析し、銀河系の起源や進化の過程といった世界の天文学者たちの長年の謎に挑むという。

 ■星10億個データ収集

 「打ち上げは完璧だった。コントロール室のランプはすべて(安全を示す)緑色だった。ロケットはブースターを切り落とし、無事に宇宙に飛んでいった…」

 英の名門ラザフォード・アップルトン研究所(RAL)で「ガイア」計画に従事する科学者ピーター・アレン氏は、歴史的な計画の“最初の一歩”が無事、成功したことをこう喜んだ。

 ESAの公式サイトや19日付英紙ガーディアン(電子版)などによると、「ガイア」はESAが6億2500万ポンド(約1086億円)を投入した欧州製としては過去最高の性能を誇る宇宙望遠鏡で、仏領ギアナ北部クールーのESAの宇宙基地から現地時間19日午前6時12分、ロシアのソユーズSTBフレガートロケットに搭載され、打ち上げられた。

 「ガイア」は地球の軌道を越えた地上150万キロの地点に到達。太陽の周りを周回しているが、宇宙空間では直径約10メートルの丸い傘を開き、望遠鏡の本体を太陽光線から守るとともに、傘についた太陽電池で動力を確保している。

 ■超新星発見なるか

 まず約4カ月間の試験運転を経て、5年間で最大70回、観測作業を行うが、巨額の費用を投入しただけあって「ガイア」の性能は驚異的だ。ESAによると、「ガイア」は人間が肉眼で見ることができる光より40万倍も弱い光をはっきり認識でき、その能力は1000キロ先にある人間の毛髪の直径を正確に測定できるほどだという。

 そうした卓越した能力を駆使し、地球を含むそれぞれの星の位置や星同士の距離のほか、星が動く速度や方向などを測定・分析するが、アレン氏は「『ガイア』によって、これまで不可能だったわれわれが住む『天の川銀河』の詳細が分かるようになる」と胸を張る。

 また、他の科学者たちは、今回の計画によって、何千もの恒星がその一生を終えるときに起こす大規模な爆発「超新星」の様子を見付けることができると期待。さらに、星々の微妙な動きを観察することで、新たな小惑星も発見できるだろうと予想している。

 2010年、米オバマ政権は30年代半ばまでに有人火星探査を行うと宣言。今月14日には中国の無人月面探査機「嫦(じょう)娥(が)3号」が米国、旧ソ連に続き、月面着陸に成功した。“ガイア計画”が、出遅れ感もある今後の欧州の宇宙探査計画に大きく貢献するのは間違いない。

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