国連と韓国から「防護のための弾薬が不足している」との要請が22日にあった。これを受け、安倍晋三首相は23日、国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合と9大臣会合を招集して対応を協議し、持ち回り閣議で提供を決定した。さらに、菅義偉(すが・よしひで)官房長官による談話を発表し、提供を武器輸出三原則などの例外と位置付ける方針だ。
PKO協力法は、PKOや国際救援活動などで「適当と認めるときは、物資協力を行うことができる」としており、提供物資に弾薬が含まれるかの規定はない。政府は提供理由として(1)現地で韓国軍と同型の弾薬は自衛隊しか保有していない(2)隊員や避難民の安全確保のため一刻を争う-としている。弾薬は十分な備蓄があり、自衛隊の活動に影響はないという。
南スーダンでは国連南スーダン派遣団(UNMISS)が治安維持や施設整備などの活動を実施。陸自は首都ジュバに施設部隊約350人、韓国軍は東部ジョングレイ州に約280人を派遣している。
ジョングレイ州では、武装勢力の襲撃でインド軍の2人が死亡したり、米軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイが狙撃されて4人が負傷したりするなど、治安悪化が目立っている。(SANKEI EXPRESS)