中小企業経営者との意見交換会に出席した安部晋三(しんぞう)首相(右)。世論調査でアベノミクスへの期待値が低下する中、中小企業を対象にした支援策の拡充に全力で取り組む考えを示した=2013年12月16日午後、首相官邸(宮崎裕士撮影)【拡大】
大企業限定の回復
菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は12月16日の記者会見で、内閣支持率が急落したことに関し、特定秘密保護法への国民の懸念が影響を与えたとの認識を示し、マスコミの報道ぶりを批判した。
ただ支持率低下の原因はそればかりではない。首相が政権運営の一枚看板に据えてきたアベノミクスの期待値も低くなっているのだ。世論調査では、景気回復について「期待できない」が55.6%と初めて過半数に達した。4月には65.5%もあった「期待できる」との回答は次第に低下し、11月の前回調査で「期待できない」が逆転。今回は、さらに差が拡大した。
背景には、賃上げやボーナスのアップといった目に見える現象が一部の大企業に限られている点がある。さらに来年4月に消費税率の8%への引き上げが控える中、いよいよアベノミクスの真価が問われる1年となるのは間違いない。