弾圧に屈せずアパルトヘイト(人種隔離)の撤廃に身をささげ、12月5日に95歳で死去した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領の公式追悼式が10日、最大都市ヨハネスブルクのサッカー競技場で営まれ、雨の中、国民や各国首脳が反差別の闘士に別れを惜しんだ。
9万人以上が収容可能な競技場に国民と約100の国・国際機関の首脳級が集い、追悼式典としては空前の規模。競技場の一帯は国軍と警察が厳戒態勢を敷いた。
オバマ米大統領は弔辞で、マンデラ氏は「歴史上の巨人」であり「国家を正義に導き、世界中の何十億の人々を揺り動かした」と称賛。国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長も「われわれの時代における偉人の一人にとどまらない存在だった」と哀悼の意を表明した。日本からは皇太子さまと福田康夫元首相が参列した。
長く肺感染症を患っていたマンデラ氏は今月(12月)5日、ヨハネスブルクの自宅で死去。娘のマカジウェさんによると、妻、グラサさんや子供、孫ら家族に囲まれ「素晴らしい」最期を迎えたという。