時代を超えて愛されるのは、とても難しいことです。「もの」自体の問題ではありません。この200年間で世界の生活習慣や人々の思考が劇的に変化をしてしまったからです。
例えば、現代でも日本の食卓で使い続けられてるご飯茶碗。その多くが見た目は原型をとどめていたとしても、時代によってその素材は変化しています。もちろんこれらは一概に悪いことではなく、良い点もあります。ここで再認識したいのは、“時代を超える”ことの難しさなのです。
ご飯を冷ましながらおいしくする
今回ご紹介する柴田慶信商店(秋田県)の「曲げわっぱ」は、時代を超え今なお人々に愛され続けています。曲げわっぱも、時代が進むにつれプラスティック製のものやウレタン樹脂を塗装したものなどが主流になってきましたが、柴田慶信商店は本来の曲げわっぱのよさをいかすため、きめが細かく木とした成熟した樹齢約200年の天然秋田杉のみを使用しています。