「デートレイプ」が社会通念上の「強姦」と違うのは、被害者と加害者が恋人同士だったり、親しい関係にある点だ。被害者が加害者に好意を抱いているというアンビバレントな思いに目をつけたのが、金井純一監督の商業映画デビュー作「ゆるせない、逢いたい」だ。
被害者の女子高校生・はつ実に映画初主演の吉倉あおい(18)、古紙回収業のアルバイトをしている加害者、隆太郎には3年ぶりの主演となる柳楽優弥(やぎら・ゆうや、23)が扮した。2人は交際目前だ。ある日、はつ実は、弁護士の母親、恵子(朝加真由美(あさか・まゆみ))と口論になり携帯電話を壊してしまう。はつ実と連絡がとれなくなった隆太郎は「嫌われた」と勘違いし…。
加害者の気持ち確認し合い
吉倉は身も心もボロボロとなったはつ実が勇気を出して自分の気持ちを整理していく過程に感銘を受けたそうだ。「私は『自分の身に起きたつらいこと、悲しいことに真剣に向き合っていく』が人生のモットーです。だからはつ実に共感できました」。