チビっ子たちには戦隊シリーズ「侍戦隊シンケンジャー」(テレビ朝日系)のシンケンピンク役と言った方がピンとくるかもしれない。その後も「仮面ライダーディケイド」「ネオ・ウルトラQ」といった日本を代表する作品に出演を重ねた高梨臨(24)は、特撮テレビドラマで自分の立ち位置をしっかりと確立したかに見えた。しかし、人生とは分からないもの。イランの巨匠、アッバス・キアロスタミ監督(73)に見いだされた高梨は、日本を舞台にした「ライク・サムワン・イン・ラブ」で主演することとなった。作品はカンヌ国際映画祭でコンペティション部門にも出品され、内外からの評価を高めた高梨は、活躍の場を瞬く間にレッドカーペットにまで広げたのだ。
「私は見たことのない景色を見てみたいんです」。それが高梨の仕事に取り組む姿勢であり、人生観でもあるようだ。「演技の話とは違うけれど、来年の目標で言えばフィンランドに行ってオーロラを見てみたい。基本的に冒険系なんですね。今年は長年の夢だったスカイダイビングも体験しました」。そんなエネルギーに満ちた彼女がこの度挑戦したのは、クリスマス直前のJR東京駅を舞台にした恋愛物語「すべては君に逢えたから」(本木克英監督)だ。
本作は来年12月に東京駅が開業100周年を迎えることを記念して製作された。東京駅を舞台に、男女10人が織りなす人間模様を描いた、6つのオムニバスストーリーで構成されている。