20日の大法廷判決は、選挙前に是正法を成立させ、選挙後には是正法に基づく区割り改定で格差が2倍未満まで縮小したことを「是正実現に向けた一定の前進」と評価。憲法上要求されている合理的期間が過ぎたとはいえないと結論づけた。
一方で、是正法の内容について「2011年判決の趣旨に沿った選挙制度の整備が十分に実現されているとはいえない」と判断。新たな区割りについては「1人別枠方式の構造的問題が最終的に解決されているとはいえない」として、さらなる区割り見直しを求めた。
山本庸幸(つねゆき)裁判官は「0増5減」法案の審議当時、内閣法制局長官だったことを理由に審理から外れた。
≪違憲回避も厳しい見方相次ぐ≫
昨年12月の衆院選をめぐる最高裁判決は、格差是正に向けた国会の取り組みの“質”を重視。「一票」の重みに格差があったことを認めつつも、解散当日に駆け込み的に成立した緊急是正法を「一定の前進」と評価し、現行制度で初となる「違憲」判断までは踏み込まなかった。ただ、最高裁裁判官からは厳しい見方が相次ぐなど、国会の姿勢への疑問も残る。