7~9月期GDP(国内総生産)速報値の概要=2013年11月14日(内閣府発表)、※季節調整済みの前期比増減率%、カッコ内は年率換算、▲はマイナス【拡大】
≪伸び鈍化一時的「景気しっかり上向く」≫
2013年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、4~6月期(年率換算で実質3.8%増)に比べ減速した。ただ10~12月期、14年1~3月期は実質で3~5%程度の成長が予測されており、減速は一時的とみられる。また、デフレ脱却の動きも顕著になった。今後は来年4月の消費税率引き上げ後に消費が落ち込む中、景気をどれだけ維持できるかが課題だ。
駆け込み需要期待
「内需の動きに底堅さが見られ、景気は引き続き上向いている」
甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相(64)は11月14日の会見で、景気の先行きに自信を示した。甘利氏は輸出は3期ぶりに減少したが海外経済は回復しており、「次の期(10~12月期)にはしっかり回復してくると思う」と強調した。
政府の強気の背景には、消費税率引き上げ前の駆け込み需要がある。来年3月にかけて個人消費がGDPを大きく押し上げる見通しだ。大和総研の熊谷亮丸(くまがい・みつまる)チーフエコノミストは「10~12月期の実質成長率は3.4%、来年1~3月期は4.2%」と、駆け込み需要の効果を試算する。