東日本大震災から2年8カ月となる11月11日、政府は福島県楢葉町の沖合20キロで、「浮体式」と呼ばれる洋上風力発電施設の実用化に向けた実証試験を始めた。震災と原発事故に苦しむ福島を再生可能エネルギーの拠点とする“追い風”で復興を後押しする国家プロジェクトだ。施設には、浮体式で世界初となる洋上変電設備を備えており、来年度には発電能力を浮体式で世界最大規模とする計画だ。
国家プロジェクト
「福島を風力発電の中心地にしたい」
福島県の佐藤雄平知事はこの日、福島県いわき市で開かれた実証試験の開始式でこう強調した。赤羽一嘉経済産業副大臣も「震災による原発事故で大きく傷つけてしまった福島を再生可能エネルギー先駆けの地とすることは政府にとって使命であり、悲願でもある」と訴えた。
試験では、東北電力を通じて約1700世帯に電気を供給。3年かけて発電効率や環境への影響を調査する。