西アフリカのニジェールで2010年9月にアルカーイダ系の国際テロ組織に誘拐されたフランス人4人が3年ぶりに解放され、10月30日に無事帰国した。仏メディアは一斉に、テロ組織に2000万~2500万ユーロ(約27億~34億円)の身代金が支払われたと伝えており、国際社会に波紋が広がっている。欧米諸国はテロ活動の資金源となる身代金支払いを断固拒否してきたが、仏政府はあいまいな対応を示している。アフリカのマリへの軍事介入に反発するイスラム勢力が仏国民を報復対象とするなか、身代金を目的とした新たな誘拐を誘発する懸念が拭えない。
ニジェールで拉致
「限りない喜びを感じる。今日、われわれの4人の友人が、家族らとともに戻ってきた。彼らの3年にわたる苦闘と我慢の日々をねぎらいたい。彼らは偉大な仏市民だ」
フランソワ・オランド仏大統領(59)は、パリ近郊にある軍用空港に到着した4人を出迎え、こう語った。