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図書館には「共読」のための工夫がほしい 帝京大学の「黒板本棚」が先頭を切っている 松岡正剛 (1/5ページ)

2013.10.28 18:30

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)【拡大】

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 【BOOKWARE】

 丸善の中にあった松岡正剛プロデュースの書店「松丸本舗」を見た中満恒子さんが、こういうものを図書館に入れたかったと言った。帝京大学の「MELIC」という大学図書館の担当さんだ。その元気に絆(ほだ)されて、ぼくはさっそく、編集工学研究所の櫛田理とデザイナーの美柑和俊と展示プロの東亨らとチームをつくり、ほどなくしてエントランススペースに、前代未聞の「黒板本棚」を組んだ。

 黒板本棚は棚の前後左右がすべて黒板仕様になっている。誰もが自由に書きこめるし、消しもできるし、チラシを貼ったりもできる。その棚にある本の説明メモや感想を付けることもできる。黒板には人だかりもできる。これは図書館の本をもっと動かしたい、本と人を出会わせたい、みんなが「共読」を楽しむようにしたいという意図でつくったものだった。

 図書館というもの、どうも沈黙しすぎている。いや、むろん静粛であることはそれでいいのだが、心が騒いでくれなくなっているのだ。往時の図書館には、つねに威容と充実と熟慮のようなものがそこかしこに漲(みなぎ)っていて、館内に入ったときの厳粛な気分、黴(かび)香る書籍の重列を巡ること、数冊を閲覧の机上に置くこと、その未知の知に自分が誘因されて冒されていくことが維持されていた。そこにはそれなりの沈黙も静粛も必要だった。

読書とは著者との一対一の共読行為である

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