【花千代のビューティフル・フラワーズ】
各地からは紅葉の便りが聞かれ、休日には野山の錦を見物しに行かれるかたも多いのではないでしょうか。温かみのある赤色のアレンジは、秋にこそ楽しみたいですね。
華やかで気品ある「赤」
今回、メーンの花にダリアを選択。それに紅葉や、実物を添えると、ぐっと秋らしいアレンジになります。紅葉をさらに深い色に染め上げたファーガスという花材を、実物には漆黒のコニカルを選んでみました。
ダリアはキク科の植物で、別名「天竺(てんじく)牡丹」。このネーミングからわかるように、神々しいほど華やかで、花びらの多い気品のある花です。
原産地はメキシコです。メキシコといえば、インパクトのある画風で知られる画家、フリーダ・カーロが有名ですが、彼女が描いた自画像にも、ダリアを髪に挿したものがあります。私は高校時代にカーロを知り、ひどい交通事故以降、身体に悩みを抱えながらも前向きに作品を生み出していった彼女の生き方に感銘を受け、画集でたくさんのカーロの絵をみました。浅黒い肌に黒目がちの大きな目、トレードマークの豊かな黒髪には、いかにもダリアの花飾りがぴったりでした。