年に1度開催される世界選手権。その名のとおり、ここでの勝者がその年の世界チャンピオンとなり、世界チャンピオンの証しとして、五大陸を表す虹があしらわれた特別なジャージが贈られる。
自転車ロードレース競技では、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなどが非常に高いステータスをもち、そこでの勝利を夢見る選手も多いが、世界チャンピオンとして認められるのはこの世界選手権のみ。そして、ツール・ド・フランスなどグランツールと呼ばれるレースは3週間にわたり開催され、途中で厳しい山岳ステージが組み込まれるため、勝者は必ず山岳に強い選手となるが、それとは対照的に、世界選手権は毎年ワンデイレースとして開催され、開催国やコースは毎年変わるため、コースによってはスプリンターなど、様々な脚質の選手にも勝てるチャンスがある。
今年の世界選手権の舞台となったのはイタリア・トスカーナ地方。古くから自転車競技が盛んで本場と言われる土地で、自転車競技が文化として根付いている。今もたくさんの自転車選手が住んでおり、オリーブ畑が広がる郊外の道では、休日になるとプロだけでなく多くの自転車愛好家とすれ違う。