ロシア北西部バレンツ海で建設中の海上石油掘削基地に無断侵入し、油田開発への抗議活動を展開した国際環境保護団体「グリーンピース」の活動家30人をロシア当局が「海賊行為」の罪で起訴した問題で、ロシアの裁判所は10月14日、船長ら計3人の保釈を認めない決定を下した。起訴された30人は18カ国から集まっているとあって、当該国からメンバーの釈放や抗議船の差し押さえ解除を求める声が出ていたが、国内法を破る者には容赦しないというウラジーミル・プーチン大統領(61)の姿勢は崩れなかった。
英BBC放送(電子版)やロイター通信などによると、今回、保釈を拒否されたのは、抗議船「北極の日の出号」の船長で米国人のピート・ウィルコックス容疑者(60)と、ニュージーランド人の活動家、デビッド・ジョン・ハウスマン容疑者(49)、そしてイタリアとアルゼンチンの両国籍を持つ女性活動家、カミラ・スペツィアーレ容疑者(21)。
「暴力使ってない」
とりわけウィルコックス容疑者は筋金入りの活動家で知られる。1985年、彼が船長だったグリーンピースの主力抗議船「虹の戦士号」が仏の核実験に抗議するためニュージーランドのオークランド港に停泊中、仏の特殊部隊がこの抗議船を爆破・沈没させた事件は有名だ。