昨年10月に巨大ハリケーン「サンディ」が上陸し甚大な被害を受けた米東部沿岸地域に、“ベビーブーム”が到来している。複数の医療機関で上陸から9カ月がたった7月の出生数が、昨年の同時期に比べ2~3割も増えているという。停電で真っ暗な嵐の夜に、たくさんのカップルが「子作り」に励んでいたようだ。専門家からは「大災害や大惨事などの苦難の後に出生率が高まることが証明された」との声も。サンディの傷痕がいまなお深く残る被災地では、人と人の絆の証しである赤ちゃんの誕生に、喜びがあふれている。
新生児が30%増
「昨年7月の新生児は371人だったが、今年は30%以上多い500人に上りそうだ。サンディ上陸の影響としか考えられない。われわれの想像以上の出来事が起こっている」
サンディの直撃を受けたニュージャージー州のロングブランチにあるモンマス医療センターの産婦人科医、ロバート・A・グラーベさんは、驚きを隠さない。