人事異動に伴う会社の歓送迎会が2次会に入り、宴席が盛り上がっていたころ、そのニュースは飛び込んできた。7月1日の夜。フィギュアスケートの元世界女王、安藤美姫(みき)が4月に女児を出産していたことを民放番組のインタビューで明かした。日本スケート連盟の強化スタッフですら知らなかったサプライズは、父親が誰かが明かされなかったことで、さらに衝撃は大きくなった。
フィギュアスケートの担当になったのは2011年の秋。半年前の世界選手権で2度目の優勝を果たして以降、公式戦に出場していない安藤の真剣な演技はまだ目にしたことがない。ここ2シーズン、日本の女子は浅田真央、鈴木明子、村上佳菜子の“3強”時代が続く。しかし、安藤を知る関係者からは「ソチ五輪シーズンに向けて、美姫ちゃんは調子を上げてくるはず」と常に聞かされてきた。そして、6月上旬に開催されたアイスショーに向けた会見で、五輪シーズンでの復帰を明言。芸術的と評される元世界女王はどんな演技でカムバックするのか、楽しみにしていた中での出産告白だった。