米製薬大手ファイザーは16日、新型コロナウイルス感染症に対する開発中の飲み薬が途上国でも使えるようになることを目指し、国連が支援する特許管理組織「医薬品特許プール(MPP)」と合意文書を交わしたと発表した。薬が承認された場合、MPPは安く生産、供給できる許諾をジェネリック医薬品(後発薬)メーカーに与えられる。
ワクチン接種率が低く、医療体制が整っていない地域では、手軽な飲み薬の便益が大きい。今回は95カ国、世界人口の53%が供給対象となる。
ファイザーによる臨床試験の中間解析では、重症化リスクのある成人患者の場合、発症から3日以内に飲み始めれば入院や死亡を89%、5日以内なら85%抑えられるとの結果が出ている。
MPPはエイズ治療薬などを途上国に安く届けるために国際機関が設立し、複数メーカーの特許を一括管理している。10月には米メルクとも開発中のコロナ用飲み薬を105カ国に供給できるよう契約を結んだと発表した。(共同)