緊急事態宣言が解除され、飲食店では酒類の販売も解禁されました。飲みニケーションが復活する可能性は高くなり、参加したくない場合もでてくることでしょう。話し方コンサルタントの阿隅和美さんは「飲み会の断り方には伝え方の順番に極意がある」といいます--。
■緊急事態宣言が解除されても「あなたとは飲みたくない」
実は、最近「飲み会のうまい断り方はないですか?」と相談を受けることが度々ありました。
「どうして?」と聞くと、「コロナ前から職場のメンバーだと仕事の延長になってしまうのであまり気が乗らなくて」「感染予防のためできるだけ控えたいんです」と言うのです。
今の時期、飲み会を開催している相手を非難しないように断るのは、本当に難しいですよね。
■断り方も言い方ひとつで丸く収まる
罹患数が減り、緊急事態宣言が解除されて自粛解除ムードになったときにも、そもそも飲み会には行きたくないと思う人もいるのではないでしょうか。仕事やプライベートなど日頃から付き合いがある相手に誘われた時、はっきり断るとその後の人間関係に支障をきたしそうで躊躇してしまう。とはいえ、本当は行きたくないけど、付き合いで参加してしまい、お金と時間の無駄で後悔した、なんてことは避けたいところです。
モノの言い方ひとつで、角が立たないように、丸く収めることができます。そこで、今回は、コミュニケーションを大切にするビジネスパーソンならぜひ知っておきたい、飲み会のうまい断り方について考えてみましょう。
■飲み会の断り方基本5ステップ
まずは、飲み会に誘われた場合の基本的な断り方として、おすすめしたいのが、この1から5の流れで話を組み立てる方法です。飲み会以外の断りの場面でも活用できるので、心得ておくと便利です。
1.感謝「お誘い、ありがとうございます」
2.理由「ただあいにく、都合が悪くて」
3.結論「不参加でお願いします」
4.詫びる「せっかくのお誘い、申し訳ございません」
5.代替「またタイミングがあえばお誘いください」
最もやってはいけないのが、「私は飲み会には行きません」など、一方的に「行けない」と主張するだけの断り方。これでは、せっかく誘ってくれた相手を不快にさせてしまいます。
この1から5の順で伝えれば、断る意思を表明しつつ相手の感情への配慮もできます。
■重要なのは「理由」と「代替案」
特にこの時期、断る際に、気を付けたいのが相手の行動を非難、批判するような印象を与えないこと。「コロナが落ち着くまでは控えています」とキッパリ断りたい気持ちも分かりますが、相手も「誘ってもいいだろうか」「どういう反応かな」と様子を見ながら声をかけているかもしれませんので、少し配慮をしたいところです。
この時期に、飲みに行く、行かない、というのはそれぞれの価値観の問題になってくるので、自分の意見を押しつけないことが大事。価値観は人それぞれ、というスタンスでの対応を心掛けましょう。
さて、この断る際の5ステップのうち、重要なのが「2.理由」と「5.代替案」です。この2つをあなたの意思に応じて差し替えていきます。では、ポイントを具体的に見ていきましょう。