群馬県は16日、新型コロナウイルスの感染急拡大を踏まえ、政府に対し緊急事態宣言の発令を要請した。全35市町村を対象により強い対策を打ち出す方針で、政府と協議のうえで17日の対策本部会議で具体的な措置内容を決める。山本一太知事が同日、県庁内で記者団の取材に明らかにした。
山本知事は13日に1日当たりの新規感染者数が過去最多の252人を記録したことなどを挙げ、「第5波は桁外れの急拡大だ」と指摘。病床稼働率は67・2%に上っており、医療提供体制への負荷が強まっていると懸念を示した。
周辺自治体では、隣接する栃木県が同日、政府に同宣言の適用を要請。既に発令中の東京都など首都圏でも急拡大が続いており、「群馬県だけが(宣言の対象から)外れることはない」とも語った。
山本知事は同日、西村康稔経済再生担当相と対応を協議。これを踏まえて県で書面による対策本部会議を開催し、県として同宣言の発令要請を決めた。
県内は8日から31日まで蔓延(まんえん)防止等重点措置を適用し、措置対象区域に定めた20市町村を中心に飲食店へ営業時間の短縮要請を行っている。
同宣言対象地域に正式に決まれば、対策本部会議を開いて要請内容を正式に決めるが重点措置よりも強い対策が取られる見通し。期間は20日から9月12日まで。
山本知事は具体的な内容は政府の動向を踏まえて決めるとしたが、東京都では宣言の効果が上がっておらず政府が新たな対策を打ち出す可能性にも言及した。