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進化するプロテイン 専門家に聞く効果の高い摂取法 (1/2ページ)

吉田由紀子
吉田由紀子

 いま、プロテインの売り上げが伸びている。従来のドリンクや粉末タイプに加え、スナック菓子、麺類、レトルト食品など、多種多様なプロテイン商品が市場を賑わせている。

 プロテイン(タンパク質)は、これまでスポーツ選手や筋肉をつけたい人に向けて販売されてきた。しかし最近はユーザー層が変わり、ごく一般の消費者が増えている。そのため、タンパク質だけでなく他の栄養素を盛り込んだ「進化系のプロテイン」が人気を集めている。

 いったいどう進化しているのか?

 プロテインを開発・販売しているAuB(オーブ)株式会社に取材を行った。同社は、元サッカー日本代表の鈴木啓太さんが、2015年に設立したベンチャー企業。新しいタイプのプロテイン「AuB MAKE」を今年1月に発売し、売上を伸ばしている。

 「AuB MAKEは腸内環境を整えることを主目的に開発されたプロテインです。私たちの細胞をつくるのに欠かせないホエイ(乳清)とソイ(大豆)2種類のタンパク質を主原料に、酪酸菌など人体に有効な29種類の菌を配合しています。筋肉を効率よく増やすためには、まず腸内環境を整える必要があるのです」(広報担当・上田麻実さん、以下同)

 以前は男性ユーザーが大半だったが、この商品を売り出して以降、男女比が半々になったという。なぜプロテインが人気を集めているのか。

 「免疫力を高めてウイルスに負けない体に」

 「やはり新型コロナウイルスの影響が大きいと思います。巣ごもり状態になり、運動量が減った結果、体重が増加した方が多かったと思います。また、免疫力を高めてウイルスに負けない体にしたいと考える方もいたのではないでしょうか」

 同社は設立以来4年間にわたり、700名のアスリートに調査を行ってきた。その結果、プロテインを摂取しても筋肉が思うように増えない選手が少なくなかった。原因を調査すると、腸内環境に問題を抱えている選手が多いことが判明。そこで研究に取り組み、腸内環境を改善するプロテインを開発したのである。

 ちなみに人間の腸内には1000種類以上の細菌が生息しており、この細菌集団を腸内フローラと呼ぶ。腸内フローラは善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類に大別され、これらの菌の量やバランスによって腸内環境は変化する。

 「腸内細菌に関して最近注目が高まっているのが、プロバイオティクス、プレバイオティクスという考え方です。耳慣れない言葉ですが、これらは腸内の善玉菌を効果的に増やす摂取法のことです。プロバイオティクスは、ビフィズス菌や乳酸菌などのことで、ヨーグルトや発酵食品を指します。一方、プレバイオティクスは、食物繊維やオリゴ糖など菌のエサになるものを呼びます。この両方を摂取することで、腸内環境がより良好になるのです。そのため、AuB MAKEはタンパク質だけでなく、腸内細菌のエサとなる食物繊維やビタミン、カルシウム、マグネシウムも加えて、1日に必要な栄養素を摂取できる商品になっています」

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