クルマ三昧

モトーレン東都が国内唯一の「BMW Mモータースポーツ・ディーラー」に認定 (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 「M2CSレーシング」を販売

 オンラインでの発表会では、BMW ジャパン代表取締役社長のクリスチャン・ヴィードマン氏の喜びのメッセージが届き、ドイツ本国のBMW・M副社長トーマス・フェルバーマイヤー氏のサポートが確約された。日本には「M」担当のレナート・ニグマン氏が常駐することになる。それに応える形でモトーレン東都代表取締役社長・湯本拓治氏の意気込みを語った。

 当面販売するのは「M2CSレーシング」だろう。オリジナルのM2をベースに戦闘力を高めた限定モデル「CS」を素材に、レース参戦のためのモディファイを施したのがそれだ。もちろんロールケージやレース用バケットシートなどが組み込まれており、そのままレースに参戦可能だ。

 レーシングマシンとしてのコンセプトは、カスタマー仕様であり、モータースポーツエントリー車両として最適だ。モータースポーツで不安になるランニングコストも抑えられており、充実したサービス体制も敷かれる。レース参戦を希望するドライバーだでなく、休日にサーキットドライブを楽しむビギナーにも好まれるだろう。

 実は僕はこのマシンで先日の「スーパー耐久第3戦富士SUPER TEC24時間レース」に参戦した。総合12位となり、表彰台に立っている。通関を終えたばかりの“つるし”のマシンだったにもかかわらずノートラブル。ドイツ本国のBMW・M社とBMW・モータースポーツが共同開発した純粋なレーシングマシンであり、性能も耐久性も担保されているのも魅力である。しかも、改造範囲の緩いGT4規定のマシンよりも速いというから驚きである。

 それほど本格的なレーシングマシンであるにもかかわらず、販売店で購入できるのだ。このプロジェクトがBMWのブランド力を上げるだけでなく、日本のモータースポーツの発展に貢献するだろう。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。

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