「M2CSレーシング」を販売
オンラインでの発表会では、BMW ジャパン代表取締役社長のクリスチャン・ヴィードマン氏の喜びのメッセージが届き、ドイツ本国のBMW・M副社長トーマス・フェルバーマイヤー氏のサポートが確約された。日本には「M」担当のレナート・ニグマン氏が常駐することになる。それに応える形でモトーレン東都代表取締役社長・湯本拓治氏の意気込みを語った。
当面販売するのは「M2CSレーシング」だろう。オリジナルのM2をベースに戦闘力を高めた限定モデル「CS」を素材に、レース参戦のためのモディファイを施したのがそれだ。もちろんロールケージやレース用バケットシートなどが組み込まれており、そのままレースに参戦可能だ。
レーシングマシンとしてのコンセプトは、カスタマー仕様であり、モータースポーツエントリー車両として最適だ。モータースポーツで不安になるランニングコストも抑えられており、充実したサービス体制も敷かれる。レース参戦を希望するドライバーだでなく、休日にサーキットドライブを楽しむビギナーにも好まれるだろう。
実は僕はこのマシンで先日の「スーパー耐久第3戦富士SUPER TEC24時間レース」に参戦した。総合12位となり、表彰台に立っている。通関を終えたばかりの“つるし”のマシンだったにもかかわらずノートラブル。ドイツ本国のBMW・M社とBMW・モータースポーツが共同開発した純粋なレーシングマシンであり、性能も耐久性も担保されているのも魅力である。しかも、改造範囲の緩いGT4規定のマシンよりも速いというから驚きである。
それほど本格的なレーシングマシンであるにもかかわらず、販売店で購入できるのだ。このプロジェクトがBMWのブランド力を上げるだけでなく、日本のモータースポーツの発展に貢献するだろう。
【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】はこちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。