ヘルスケア

新型コロナウイルス、北海道で初のデルタ株疑い 札幌市で

 札幌市は29日、新型コロナウイルスに感染した市内中央区に居住する自営業の40代男性が、インド由来の変異型(デルタ株)に感染した疑いがあると発表した。北海道で疑い事例が確認されるのは初めて。同市保健福祉局は「感染力が強いため、より一層の注意が必要。市民には感染防止対策の徹底をお願いしたい」と呼びかけている。

 この男性は6月中旬、デルタ型の感染患者が出ていた関西方面に出張で旅行。札幌に戻った後、発熱などの症状が出たためPCR検査を受け、感染が確認された。その後、市が行った変異型のスクリーニング検査で陽性が判明したという。今後、専門機関にゲノム解析を依頼し、最終確認を行う。濃厚接触者は家族のみでPCR検査で陰性を確認済み。また、仕事で接触した感染リスクの低い2人にも近くPCR検査を行うという。

 市保健福祉局の山口亮感染症担当部長は「デルタ株はすでに10自治体以上で確認されており、いずれ札幌市内でも確認されると考えていた」と説明。市が新規感染者の6割強に行っている変異株スクリーニングに検査ついて、対象数を引き上げる考えを示した。

 さらに感染力の強いデルタ株が市中に広がった場合、第4波を上回る感染拡大の可能性が懸念されるとも指摘。すでにデルタ株が広がっている英国では、最初の感染確認から約60日で感染者全体の9割がデルタ型に置き換わったとし、「(北海道でも)一定の広がりは避けられない。医療提供体制への影響を低減するため、感染の大きなピークと急激な流行を避ける必要がある」と述べ、市民や事業者に対して感染防止対策の徹底と、体調不良時における速やかなかかりつけ医受診、または救急安心センターへの電話相談などを行うよう呼びかけた。

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