NTTドコモは21日、東京都千代田区の本社会議室で職場接種を開始した。当面は顧客対応を担うドコモショップ店員やコールセンター職員、完全にはリモートワークができない通信設備の保守を担う技術者らを優先し、順次対象を広げる。今後は全国の拠点でも職場接種を展開し、3カ月程度をめどに全国の社員やショップ店員ら10万人のうち希望者へのワクチン接種を完了させる見込み。
仕切りが設けられた約380平方メートルの会議室は即席のワクチン接種会場となった。密にならないようにワクチン接種希望者は数人ずつ会場に集まった。医師や看護師の確保は資本・業務提携をしている医療情報サイトを運営するエムスリーに協力を仰いだという。
「お加減はいかがですか」。医師や看護師らは接種希望者に優しく声をかけ、ワクチン注射を行った。近隣のドコモショップの店長を務める黒羽祐美子さん(30)は制服姿で注射を受けた。黒羽さんは「対面でのお客さま応対をしているので私たちも安心して仕事に励めるし、お客さまに安心してご来店いただける。接種により大きく一歩を踏み出せると思う」と笑顔を見せた。
会場を視察したNTTドコモの井伊基之社長は取材に応じ、「ドコモショップや法人への訪問など、コロナ禍で対面営業が大きく影響を受けた。自治体などでのワクチン接種が進むことも踏まえて、できる範囲で対面営業ができることを期待する」と語った。