ヘルスケア

新型コロナウイルス、「ロシア独自の変異株」が急拡大

 【モスクワ=小野田雄一】新型コロナウイルスをめぐり、ロシアのガマレヤ記念国立疫学・微生物学研究センターのギンツブルク所長は、露国内にロシア独自の変異株が数多く流行していると明らかにした。

 14日にイタル・タス通信が伝えた。ロシアで首都モスクワを中心に新型コロナ感染者数が再び急上昇しているが、変異株との関連は明らかになっていない。

 ギンツブルク氏は、変異株モニタリングの結果として「インド株でもイギリス株でもない、ロシア独自の変異株が流行していることはデータから明らかになっている」と指摘。現在、研究者らが変異ウイルスの特性を調べているという。

 露政府は4月、シベリア型と北西部型と呼ぶ2種類の変異株を国内で検出したと発表していたが、より感染力の強い別の変異株が出現している恐れもある。

 ロシアでは昨年12月、1日当たりの新規感染者で3万人に迫る流行ピークを迎えた。今年3月以降は連日8千~9千人規模で推移してきたが、その後、増加に転じている。今月12日からは1万3千~1万4千人の新規感染者が確認されている。モスクワが顕著で、6日まで、連日の新規感染者は約3千人だったが、13日は約8千人に急増した。

 こうした状況を受け、モスクワ市のソビャーニン市長は12日、20日までレストランなどの深夜営業を禁止するほか、一部の職種を除き、19日まで非労働日とする緊急措置を発表した。

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