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初の緊急事態宣言から1年、変異株の脅威と「第4波」現実味 コロナ収束見通せず

 新型コロナウイルス対策で、政府が初めて緊急事態宣言を発令して7日で1年を迎える。国内は感染拡大の3つの波に見舞われ、1月には宣言を再び発令したものの、現在は全国的にリバウンド(感染再拡大)の傾向が顕著となっている。変異株の脅威が押し寄せ、第4波の入り口にさしかかっているが、切り札とされるワクチン接種も当初日程から遅れており、収束は見通せていない。

 昨年3月下旬の3連休を機に国内は感染拡大の第1波に突入。政府は4月7日、7都府県に初の緊急事態宣言を発令し、同16日に全国に拡大した。一度延長した後、5月25日に全面解除し、安倍晋三首相(当時)は会見で「1カ月半で流行をほぼ収束できた」と胸を張った。

 6月下旬からの第2波は飲食店が感染源として注目され、営業時間の短縮要請などで抑制。ただ、10月から政府の観光支援事業「Go To トラベル」に東京を追加後、第3波の増加傾向が鮮明になった。1月7日、政府は首都圏1都3県に宣言を再発令。対象の拡大、2度の延長を経て、3月21日の全面解除までに2カ月半かかった。

 昨年末以降、感染力が強いとされる変異株が拡大。今年3月30日時点で34都道府県で678件が確認され、3週間で2・5倍に増えた。政府関係者は全国的な第4波の始まりと3度目の宣言の可能性を示唆する。高齢者へのワクチンの本格接種は4月下旬以降にずれ込み、政府分科会の尾身茂会長は「6月ごろまでが(感染抑制の)正念場」と訴える。

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